コラム
TOPコラムCASBEE非住宅でBELSを取得するメリットは?評価基準やZEBとの違い、注意点を解説

非住宅でBELSを取得するメリットは?評価基準やZEBとの違い、注意点を解説

非住宅建築物の省エネ計算が定着する中、次の課題として「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」の相談が増えているという建築会社も、多いのではないでしょうか。

非住宅におけるBELSは、省エネ性能の証明という役割を超え、不動産の投資価値を左右する重要な要素となっています。施主の現実的な相談に対応するために、あらためて正しい知識を押さえていきましょう。

本記事では非住宅版BELSの取得メリットや取得費用、住宅版との違いなどを整理します。

《最新情報》非住宅のBELS取得は実際に増加している!住宅性能評価・表示協会によると、非住宅用途のBELS累計交付実績は8,258件(2026年6月末時点)に達しています。国土交通省も交付件数の増加傾向を指摘しており、用途も事務所だけでなく工場やホテル、物流施設などへ幅広く拡大しています。 昨今、BELSは単なる「環境配慮の証明」から、投資家やテナントから選ばれるための「標準スペック」へと位置付けが変わりつつあり、デベロッパーや施主側の意識も急速に変化しています。※ BELS事例紹介|一般社団法人住宅性能評価・表示協会

非住宅建築物におけるBELSの概要

「住宅向け」とのイメージが強いBELSですが、非住宅にも広く適用されています。まずは、住宅用との違いとBELSの概要を確認します。

BELSはあらゆる非住宅(新築・既存)に適用可能

非住宅版BELSは、事務所や店舗、ホテル、病院、学校など、大半の用途の非住宅建築物も評価対象とします。新築だけでなく、既存建築物への適用も可能です。改修によって古いテナントビルの不動産価値を向上させる、といった活用法も見られます。

非住宅版BELSと住宅版BELSの違い

建築物省エネ法に基づく省エネ性能の表示制度について|一般社団法人住宅性能評価・表示協会

住宅版と非住宅版のBELSでは、星を決定する評価軸が異なります。 

建築物区分評価軸
住宅外皮性能(UA値)一次エネルギー消費量(BEI)
非住宅一次エネルギー消費量(BEI)のみ

非住宅版BELSでは、外皮性能が直接的には星の評価に影響しません。設備機器の効率も含めた一次エネルギー消費量削減率で、星の数が決まります。

なお、非住宅版BELSでの外皮性能は「BPI(外皮基準)」という指標で評価されます。

BPIは窓や外壁といった建物外周部の熱負荷(PAL*)が、基準値に対してどの程度の割合かを示します。BPI≦1.0で外皮基準を満たすとみなされ、BELS評価書に「外皮基準適合」と明記できます。

BPIの数値自体は星の獲得には影響せず、BELSの必須要件ではありません。しかし、外皮性能の高さを客観的にアピールする追加の証明として機能するため、頭に置いておくと良いでしょう。

非住宅でBELSを取得するメリット3つ

BELSの取得には、費用と手間がかかります。ただでさえタイトな予算とスケジュールの中、あえてBELSを取得すべき理由は何でしょうか。

施主に説明する際の要諦となる、3つのメリットを解説します。

(1) ESG投資へのアピールと不動産価値の向上(テナント離れの防止)

ESG投資とは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の3要素を考慮した投資手法です。このESG投資やグリーンファイナンスにおいて、BELSの評価は「投資家や金融機関に対する客観的な証明」として機能し、有利な条件での資金調達につながるケースも増えています。

さらに、2024年4月より販売・賃貸時の「省エネ性能ラベル」表示が努力義務化されたことで、テナント企業は物件探しの中で星の数を容易に比較できるようになりました。

これは、優良テナントの誘致に有利に働くというだけでなく、「星がない(=性能が不透明な)物件は、テナントの入居候補から外されるリスクがある」ことを意味します。BELS取得は、空室リスクの低減や賃料の維持といった、不動産価値の防衛・向上に直結する重要な戦略です。

(2) ZEBの公的証明として活用できる

建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表⽰制度|国土交通省

非住宅における最高ランクの省エネ建築物は「ZEB」です。BELS評価書は、ZEBを達成した事実を対外的にアピールする公式的な認定マークとして利用できます。

現在は、新築の住宅・ビル等の販売・賃貸の際、広告物に「省エネ性能ラベル」を表示することが制度化されています。BELSの取得は建築物の環境性能を社会的にアピールできる材料となり、ステークホルダーに対する説得力の高いツールとなるでしょう。

(3) 各種補助金の要件をクリアできる

補助事業(ZEB実証事業)|一般社団法人環境共創イニシアチブ

「ZEB実証事業」など、国や自治体が主導する非住宅向けの省エネ補助金では、BELSの取得が交付条件として求められるケースも多数あります。

BELSの取得には費用が掛かりますが、補助金を活用できれば、かかったコスト以上の経済的メリットを享受できます。施主の初期投資負担軽減を目指して補助金を活用する計画であれば、BELSの取得は前向きに検討すべきテーマです。

非住宅BELSの評価ランクとZEBマークの関係

非住宅版BELSの星の決まり方と、評価書に表示されるZEBマークの種類を整理します。

星の数はBEIで決まる

2024年4月の制度改正により、非住宅版BELSの星の評価基準が刷新されました。現在では、建築物の用途にかかわらず、一次エネルギー消費量の削減率(BEI値)に基づいて、星なしから最高6つ星(★1〜★6)までの7段階で一律評価されます。

基準一次エネルギー消費量に対して「どれだけエネルギーを削減できたか」を示すBEI値が小さい(削減率が高い)ほど星の数が増え、BEI値0.50以下(50%以上削減)を達成することで最高位の6つ星(★6)を獲得できます。

BELS評価書に表示されるZEBマーク種類

BELS評価書の星の数が4つ、あるいは5つ(建物用途による)を取得できると、「ZEB」のマークが表示されるようになります。削減率に応じて、以下の種類があります。

・ZEB:100%以上の削減

・Nearly ZEB:75%以上の削減

・ZEB Ready:50%以上の削減

また、延べ面積1万m2以上の大規模な建築物に限定されますが、用途に応じた所定の基準を満たすと「ZEB Oriented」というマークも取得可能です。

非住宅BELS申請の流れと注意点

BELS申請においてつまずきやすいポイントや注意点を、2つ解説します。

計算ルート(標準入力法・モデル建物法)の選択

非住宅の省エネ計算には「モデル建物法」と「標準入力法」の2種類があります。それぞれの計算方法は、次の通りです。

・モデル建物法:既定モデルに評価対象建築物の仕様をあてはめる。簡易的。

・標準入力法:室ごとに床面積や仕様を細かく入力。精緻な結果が得られる。

簡易的な計算手法であるモデル建物法は、安全側の判定(不利な数値)を導きやすいという特徴があります。より多くの星を得たいとき、ZEBマークを狙いたいときは、詳細な設備入力によって正確な数値を導ける標準入力法を選ぶのが鉄則です。

計算が煩雑で社内対応が難しい場合は、計算代行業者への外注をおすすめします。

省エネ適判と申請スケジュールの連動

BELSの審査期間は、数週間程度かかるのが一般的です。スムーズに手続きを進めるには、確認申請につながる「省エネ適判」の審査機関と、BELSの評価機関を同一にすることがポイントです。

窓口を一本化すれば提出図面を共有でき、審査機関側での整合性チェックの手間も省けます。大幅な時間短縮が可能になるため、試してみてください。

非住宅のBELSに関するQ&A

非住宅版のBELSに関して、よくある疑問にQ&A形式で回答します。

Q1.住宅・非住宅がある複合建築物について、BELSはどう評価されますか。

  1. 評価単位を柔軟に選択できます。

「1階が店舗、2階以上がマンション」といった複合建築物では、「非住宅部分のみ」「住宅部分のみ」「建物全体」のいずれかの単位を選択してBELSを申請・取得できます。

どの単位で申請するかは、BELSの取得目的と計算コストから決定します。

《評価単位を決める基準の例》

・テナント誘致や非住宅用補助金が目的:非住宅のみ

・住人のローン控除が目的:住宅のみ

・企業の環境意識アピールが目的:建物全体

上記のように、目的に合致した単位だけを申請することで、不要な計算費用を省けます。

Q2.BELSプレート(表示マーク)はどこに掲示すべきですか?

  1. エントランスや公式サイトなど、人目につく場所を推奨します。

BELS 表示例|一般社団法人住宅性能評価・表示協会

BELSを取得すると、有償で金属製やアクリル製のプレートを購入できます。テナント利用者や来客に向けたPRとして建物の入り口に掲示するほか、企業のサステナビリティレポートなどにマークを掲載するのが一般的な活用方法です。

Q3.BELS取得にかかる費用と審査期間の目安はどれくらいですか。

  1. 審査費用は数万〜十数万円程度、期間は約3〜4週間です。

用途や面積によって審査費用は変動します。また、審査費用とは別に、省エネ計算を外部に委託する場合は数十万円の計算代行費用が発生します。スケジュールと予算に余裕を持たせた計画が必要です。

まとめ

非住宅のBELSは、光熱費の削減効果を示すだけが役割ではありません。ESG投資の呼び込み、テナント誘致による空室率低下に直結する、不動産価値を可視化するツールといえます。

非住宅版BELSの評価基準は、一次エネルギー消費量(BEI)に特化しています。また、「ZEB」の公的な証明としても機能します。

高い星評価やZEBを目指す案件では、精緻に数値を算出できる標準入力法を選択しましょう。また、BELS取得にかかる費用を「コスト」と考えるのではなく、不動産価値向上のための投資として施主に提案してみてください。

適判審査と連携したスムーズなスケジュールも、円滑な業務進行の秘訣です。

省エネ計算なら、しろくま省エネセンターにお任せください!

しろくま省エネセンターでは、業界初の「省エネ計算返金保証」を行っております。

個人住宅、小規模事務所から大型工場などまで、幅広く対応しています。まずはお気軽にご相談ください!

まずはお気軽に お問い合わせください

パッと簡単!
無料見積り依頼

お急ぎの方・詳細をお聞きになりたい方は
お電話でも受付けております

044-230-0050 電話受付時間 平日9:00~18:00

TOP