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BELSとは?省エネ性能を評価・表示する新しい基準について

現代社会において、建築物の省エネ性能は重要な課題となっています。この背景から、日本ではBELS(ベルス)という省エネ性能評価・表示制度が導入されました。BELSは建築物のエネルギー性能を明確に表す表示制度です。本記事では、BELSの概要、評価方法、対象建築物、表示される性能、そしてその取得メリットについて、詳しく解説します。

BELSとは

BELSは「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略で、新築および既存の建築物の省エネ性能を評価し、認証する制度です。日本で運用されているこの制度は、建築物の省エネ性能を一目で理解し、資産価値を把握するのに重要な指標となっています。

この制度の目的は、建築物のエネルギー効率を向上させることで環境保護に貢献することです。また、建築物の市場価値を高める効果も期待できます。

BELSは、建築物の一次エネルギー消費量を基にした5段階の星評価システムを採用しており、その評価結果は評価書として交付されます。この評価書は、省エネルギーによる社会貢献の証として、また住宅選びの際の参考として利用されます。

BELSの評価は、第三者評価機関によって行われるため、客観性と信頼性が高いことも大きな特徴です。これにより、建築物の省エネ性能を正確に把握し、環境に配慮した建築物選びが可能になります。

対象建築物

BELSは、様々な建築物に適用されます。これには、大規模なオフィスビルから個別の住宅まで、住宅・非住宅を問わず、あらゆる種類の建築物が含まれます。特に注目すべき点として、この制度では建築物全体だけでなく、フロアやテナント単位でも評価が可能ということです。これは、各フロアやテナントが独立した設備機器を持ち、それぞれ独自のエネルギー効率を持つ場合に有効です。BELSは、このように様々な条件に柔軟に対応し、建築物の持続可能性と省エネルギー性を向上させるための重要な評価制度となっています。

BELS評価について

BELSでは、建築物の省エネルギー性能を示すためにBEI(Building Energy Index)という指標が用いられます。BEIは、建築物の設計一次エネルギー(設計上の仕様や設備から計算されるエネルギー量)を、その地域や床面積などに基づく基準一次エネルギー消費量(基準仕様・設備から計算されたエネルギー量)で割ることで求められます。このBEIの値が低いほど、建築物の省エネ性能が高いと評価されます。

BEI=建築物の設計一次エネルギー/基準一次エネルギー消費量

評価ランク

BELSでは、BEIの値に応じて以下のように星(☆)の数で評価します。

☆☆☆☆☆(5つ星): BEIが0.80以下

☆☆☆☆(4つ星): BEIが0.80より大きく、0.85以下

☆☆☆(3つ星): BEIが0.85より大きく、0.90以下

☆☆(2つ星): BEIが0.90より大きく、1.00以下

☆(1つ星): BEIが1.00より大きく、1.10以下(既存建築物のみ)

※住宅用途の場合

新築の場合、星5つが最高ランクで、国の省エネ基準に適合するのは星2つ以上、すなわちBEIが1.00以下の場合です。

BELSで評価される性能

BELSでは以下2つの性能が評価されます。

  • 外皮性能
  • 一次エネルギー消費量

外皮性能

外皮性能とは、建築物の外壁や屋根などの外皮部分が持つエネルギー効率を指します。熱の流れや太陽光の取り入れ方に関わる要素です。この性能が高いほど、外部からの熱や冷気の進入を効果的に遮断し、室内の温度を一定に保てます。結果として冷暖房のエネルギー消費を減らし、効率を向上させます。

主に、壁や屋根に使われる断熱材が熱損失を減らし、冬は暖かく夏は涼しい環境を作り出します。また、窓の性能も重要で、二重窓や高性能ガラスの使用により熱の流れが抑制されます。さらに、日射を上手く利用すれば自然な暖房効果を得られます。ただし、夏場の過度な日射を遮蔽する工夫も必要です。

これらの要素を総合的に考慮し、外皮性能を高めることで、省エネルギーかつ環境に優しい快適な住環境を実現できます。

一次エネルギー消費量

一次エネルギー消費量は、建築物が利用する総エネルギーの量を示す指標です。エネルギーが最初に抽出または生産される段階から消費されるまでの全過程にわたる総エネルギー消費の量を指します。これには、建築物内での暖房、冷房、換気、照明、給湯などのために使われる電気やガスの消費量だけでなく、原油、天然ガス、石炭などの天然資源の採掘や加工に必要なエネルギー利用も含まれます。

一次エネルギー消費量は、エネルギー効率や環境への影響を評価する際に重要な指標となります。例えば、電力の生成においては、発電所での燃料使用から電力が消費者に届くまでのプロセス全体で消費されるエネルギーの量を考慮します。この消費量が大きいほど、そのエネルギー源の持続可能性や環境への負荷が高いことを意味し、省エネルギーや再生可能エネルギーの利用によりこれを減らすことが求められます。

断熱材の選択、効率的な設備導入、日射利用の最適化などにより一次エネルギー消費量を減らせます。建築物のエネルギー消費の最適化は、長期的な環境保護に欠かせない要素です。

BELSで表示される性能

BELS評価書には以下の6つの性能が表示されます。

①   BEIに応じたマーク

建築物の省エネ性能を☆の数で表示します。BEI値に応じて5段階で表示され、☆の数が多いほど省エネ性能が高いことを示します。

②   基準からの削減率

削減率は(1-BEI値)×100で計算された数値です。

③   一次エネルギー消費量

設計と基準の一次エネルギー消費量を示します。

④ 建築物エネルギー消費性能基準(省エネ基準)への適合可否

一次エネルギー消費量、外皮性能の基準適合の可否を表示します。

⑤ UA値またはηAC値

外皮基準における住戸部分のUA値、またはηAC値を表示します。

⑥ ZEH、Nearly ZEH、ゼロエネ相当マーク

外皮基準、一次エネルギー消費基準を満たした住宅にはZEHマークが表示され、補助金申請にも活用されます。

BELSを取得するメリット

BELSを取得することで以下のようなメリットがあります。

  • 建築物の省エネ性能が5段階で表示され、分かりやすい
  • 第三者機関による評価なので信頼性が高い
  • ZEH補助金制度の申請に活用できる
  • 不動産としての価値が上がる

建築物の省エネ性能が5段階表示され、分かりやすい

BELSを取得する大きなメリットは、建築物の省エネ性能が5段階で表示されることです。建築物のエネルギー効率が一目で分かりやすく示されるため、利用者や投資家は建築物の省エネ性能を容易に理解し、適切に評価できます。

BELSで省エネ性能が明示されることは、設計段階から建築物のエネルギー効率向上の指針となります。この透明性が、市場に省エネ性の高い建築物を増やす一因となり、消費者はそういった建築物を選びやすくなります。

三者機関による評価なので信頼性が高い

BELSは信頼性の高さも大きな特徴です。その理由は、評価が第三者機関によって行われるからです。この機関は国が指定した専門的で権威ある団体であり、その公正性が保証されています。

例えば、建築会社のカタログやホームページで紹介される建築物の性能は理解しにくいことがほとんどです。基準もバラバラなため、比較するのも容易ではありません。しかし、BELSは一定の条件と指標で、評価主体が第三者機関であるため、わかりやすくて信頼できる情報が得られます。

信頼性の高い性能表示制度を利用して、建築物の性能を確かめるならBELSがおすすめです。

ZEH補助金制度の申請に活用できる

BELSは、ZEH(Net Zero Energy House)補助金制度の申請に活用できます。この補助金制度では、省エネルギー基準やゼロエネルギーの達成度が審査の主要基準となっています。ZEH補助金申請では、外皮基準や一次エネルギー消費量基準などが設定されています。

例えば、令和5年度の戸建住宅ZEH化等支援事業では、UA値が0.6以下、一次エネルギー消費量削減率が20%以上(省エネのみ)、100%以上(再生可能エネルギー含む)が条件となっています(地域区分4~7)。BELSを利用することで、これらの性能基準を明確に証明できます。

さらに、省エネ性能が高い建築物は、ZEH補助金だけでなく、他の補助金制度でも受給の可能性が高まります。したがって、様々な補助金制度の申請において、BELSは有効なツールとなるでしょう。

不動産としての価値が上がる

BELSを取得することで、不動産としての価値が上がります。これは、BELSによって建築物の省エネ性能が可視化され、省エネ効率の高い建築物が明確に識別できるためです。環境意識の高い購入者やテナントにとっては魅力的な物件となります。

たとえば、オフィスビルがBELSの最上位評価を受けると、その省エネ効率の高さが明らかになり、光熱費を抑えたいテナントや環境に配慮する投資家からの関心が高まります。これにより、建築物の競争力が向上し、結果として不動産の市場価値が上昇することが期待されます。

BELSの取得は不動産価値の向上に寄与する重要な要素となります。

BELSとは?省エネ性能を評価・表示する新しい基準について【まとめ】

BELSは、建築物の省エネ性能を公正に評価し、表示するシステムです。BELSの取得により、建築物の省エネ性能が一目で分かり、エネルギー効率の高い建築物への関心と投資を促進します。これは、不動産価値の向上や、持続可能な建築への貢献にもつながります。

つまり、BELSは建築物の省エネルギー性能を高め、環境に配慮した社会構築に貢献する重要な指標なのです。

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