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【2026年度】長期優良住宅の住宅ローン控除枠が拡大!5つの優遇制度と併せて解説

2026年度の住宅ローン控除において、長期優良住宅の借入限度額は「子育て世帯・若者夫婦世帯」を対象に最大5,000万円の特別枠が維持されています。 2028年以降は省エネ基準適合住宅が住宅ローン控除の対象外となり、ZEH水準以上の省エネ性能が必須となるため、高い控除枠と性能を担保する長期優良住宅は、施主への強力な提案ツールとなります。 

そこで今回は、事業者が施主に訴求すべき「長期優良住宅が受けられる5つの優遇制度」と、営業戦略に直結する活用ポイントを解説します。

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、ひとつの住宅を長期にわたり良好な状態で使い続けるための措置が講じられた優良な住宅を指します。 長く安心して暮らせるために必要な建築・維持保全の計画を、所管行政庁が「長期優良住宅の普及促進に関する法律」に基づき評価・認定します。

2009年の施行以来、令和6年度には新築戸建て住宅の約4割が認定を受けており、市場のスタンダードになりつつあります。

引用:住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅の認定制度

長期優良住宅ができた背景

長期優良住宅認定制度ができたのは、戦後から続いていた「つくっては壊す」という日本の住宅政策から脱却し、ひとつの住宅を長く大切に住み継ぐ「ストック型社会」への転換が求められたためです。

従来の日本の住宅は平均寿命が30年程度と短く、解体時に排出される大量のCO2や廃棄物が問題視されていました。

また住宅は消耗品という考えで資産価値も低く、環境への配慮と国民の資産形成を目指すために「量」から「質」を重視する長期優良住宅という概念が生まれました。

長期優良住宅の認定基準

長期優良住宅の認定を受けるには、大きく分けて次の5つの措置を講じる必要があります。

①長期に使用するための構造及び設備を有している

②居住環境等への配慮を行っている

③一定面積以上の住戸面積を有している

④維持保全の期間、方法を定めている

⑤自然災害への配慮を行っている

具体的には、次の認定基準を満たすことが求められます。

引用:住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅の認定制度

劣化対策や耐震性・災害配慮などの安全面や、省エネ性や可変性・住戸面積など人が長期的に住みたくなる快適性、そしてそれらを長く維持していくための維持管理・更新の容易性など、多角的な視点で優良住宅を目指しているのが特徴です。

長期優良住宅を申請する流れ

長期優良住宅の認定申請は、事前に登録住宅性能評価機関で技術的審査を受け、確認書を交付されてから所管行政庁に認定申請を行うのが基本です。

引用:住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅建築等計画等の認定申請をされる皆様へ

長期優良住宅を申請するには、次の図書等が必要です。

・認定申請書

・設計内容説明書

・添付図書(付近見取図、配置図、仕様書など各種図面・計算書)

・その他必要な書類

認定を行う所管行政庁は、住宅性能評価・表示協会の公式サイトから検索できます。

認定通知書が交付されたら工事に着手し、完了時には計画に基づいて工事が完了した旨を報告するのが原則です。

さらに長期優良住宅は工事後も維持保全計画に基づく点検を行い、必要に応じて調査・修繕・改良を実施し、その記録を作成・保存する必要があります。

引用:住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅の認定制度

事業者が施主へ提案すべき4つの訴求ポイント

長期優良住宅の提案は、施主に「高い安全性と快適性」をもたらすだけでなく、資金計画上のメリットも提供できます。商談時に活用できる4つの訴求ポイントを解説します。

① ライフサイクルコストの削減と安心感の提供

劣化対策や維持管理・更新の容易性が確保されているため、修繕等のライフサイクルコストを抑えつつ、次世代まで良質な状態を引き継げます。「長く住むほどにお得で安心」という中長期的な価値を訴求できます。

② 客観的評価による自社ブランドの信頼性向上

国の厳しい基準をクリアし、第三者機関の評価を受けるため、自社独自の性能アピール以上に説得力があります。施主に対して、品質への確かな裏付けとして提示可能です。

③ 資産価値の維持と売却・相続時の有利性

高品質な状態を維持できるため、一般的な住宅と比較して将来の不動産査定で有利に働く傾向があります。「住まいは消費するものではなく資産である」というストック型の価値観に響く提案となります。

④ 手厚い税制優遇と補助金による資金計画のサポート

後述する住宅ローン控除の優遇や各種補助金制度を活用することで、初期費用の増加分を相殺、あるいはそれ以上のメリットを生み出せるケースが多々あります。資金面でのハードルを下げる有効な切り札となります。

【2026年度】長期優良住宅5つの優遇制度

2026年度に、長期優良住宅を取得する場合に受けられる優遇制度は5つです。

それぞれの概要を詳しく紹介します。

住宅ローン控除の借入限度額における「特別枠の維持」

住宅ローン減税の借入限度額は住宅の性能によって異なり、最も高い恩恵を受けられるのが長期優良住宅および低炭素住宅です。 2026年度以降の入居において、一般世帯の借入限度額は4,500万円となりますが、子育て世帯・若者夫婦世帯が新築した場合は「最大5,000万円」の特別枠が適用されます。

制度の縮小が懸念されるなかでも、子育て世帯等には高い限度額が担保されているため、資金計画を立てる上で非常に強力な後押しとなります。

引用:国土交通省「住宅ローン減税等の住宅取得促進策に係る所要の措置

2025年度以前は長期優良住宅の借入限度額は最大4,500万円だったので、500万円拡大しています。

フラット35の金利引き下げ

最長35年間固定金利となる「フラット35」において、長期優良住宅は良質な住宅として認められ、当初5年間の金利が引き下げられる「フラット35S(ZEH)」などの優遇プランを利用できます。将来の金利上昇リスクを排除しつつ初期の負担を抑えられるため、施主のローン不安を払拭できます。

固定資産税・登録免許税・不動産取得税の軽減

長期優良住宅では、住宅ローン減税による食税控除以外にも3つの税の特例措置が受けられます。

税金措置内容
固定資産税減税措置適用期間を戸建て住宅で1~5年間、マンションで1~7年間延長
登録免許税保存登記を0.1%に軽減。移転登記を戸建て0.2%、マンション0.1%に軽減
不動産所得税控除額を1,300万円に拡大

※住宅ローンを利用せずに自己資金のみで住宅を購入した場合でも、投資型減税として最大65万円の控除を受けられる枠組みが用意されています。

地震保険料の割引

長期優良住宅の認定基準には「耐震等級2以上」または「免震建築物」であることが含まれます。これにより、地震保険料の大幅な割引を受けることができ、ランニングコストの削減に寄与します。

条件割引率
耐震等級230%
耐震等級350%
免震建築物50%

補助金の受給

国はストック型社会の推進に向け、長期優良住宅の取得を後押しする補助金事業を毎年実施しています。2026年度の事業(例:みらいエコ住宅2026事業等)では、子育て世帯・若者夫婦世帯などを対象に75万円程度の補助金が予定されています。

 ※補助金は国の予算上限に達し次第終了となるため、事業者側からの早期提案と、スムーズな着工・申請フローの確立が不可欠です。

事業者目線での長期優良住宅の注意点

長期優良住宅は、高性能設備の導入や各種申請費用により、一般的な省エネ基準適合住宅と比較して初期コストが数十万〜100万円程度高くなる傾向があります。 しかし、前述した優遇税制や補助金を最大限活用し、施主に対して「トータルコスト(初期費用+維持費+税制優遇)の逆転現象」を丁寧にシミュレーションして提示できれば、コストアップの懸念は十分に払拭可能です。 また、引き渡し後の維持保全計画に基づく定期的な点検を事業者のアフターサポート体制に組み込むことで、顧客満足度の向上や将来のリフォーム受注に繋げることができます。

2028年度以降の動向:ZEH水準以上の省エネ住宅のみが控除対象へ

2028年度以降、住宅ローン控除の対象は「ZEH水準以上の省エネ住宅」に限定される方針が示されています。 長期優良住宅はZEH水準を満たしているため引き続き対象となりますが、事業者としては、2028年の基準引き上げを見据え、今から自社の標準仕様をZEH水準以上に引き上げる戦略が不可欠です。

長期優良住宅の住宅ローン控除でよくある2つの質問

ここでは、長期優良住宅の住宅ローン控除でよくある質問を2つ解説します。

住宅ローン控除でいくら戻る?

長期優良住宅で最大控除額である5000万円の借入をした場合、受けられる控除額は一般世帯では約409万円、子育て世帯では約455万円です。

省エネ基準適合住宅では子育て世帯でも364万円程度の控除で、91万円程度の差があります。

前述した通り、長期優良住宅を取得するためにかかる費用は100万円程度などで、住宅ローン控除だけでも十分回収可能といえるでしょう。

長期優良住宅で住宅ローン控除を受けるために必要な書類は?

長期優良住宅で住宅ローン控除を受ける場合、減税を受けたい年分の確定申告で、次の書類を所管税務署に提出します。

・確定申告書

・住宅借入金等特別控除額の計算明細書

・住宅ローン年末残高証明書

・工事請負契約書または売買契約書等の写し

・登記事項証明書

・市区町村からの補助金決定通知書など補助金等の額を証する書類

・長期優良住宅認定通知書の写し

・住宅用家屋証明書または認定長期優良住宅建築証明書

住宅家屋証明書は登録免許税の軽減を受けるのに使う書類で、あらかじめ司法書士等から原本もしくは写しを入手しておく必要があります。

再発行ができないため、手元にない場合は認定長期優良住宅建築証明書を取得しましょう。

まとめ

長期優良住宅は、国が目指す「持続可能な社会」を牽引する住宅仕様であり、手厚い優遇制度は今後も形を変えながら維持されていくと予想されます。 2028年には省エネ基準適合住宅がローン控除の対象から除外されるため、建築業界ではより一層、環境性能と資産価値の高い住宅の標準化が求められます。 認定の取得や省エネ計算には専門知識と手間を要しますが、外部の専門業者やサポート機関を上手く活用することで、設計・施工リソースを圧迫することなく、施主に喜ばれる高付加価値な住まいづくりを実現してみてはいかがでしょうか。

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