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省エネ計算のやり方を完全解説|建物用途別の算出方法と注意点【2026年最新版】

2025年4月1日以降に着工する建築物は、原則として省エネ基準への適合が求められます。

省エネ基準適合の確認には、原則として外皮・一次エネルギーの評価が必要です。評価方法は「計算(標準ルート等)」に加え、「仕様基準(チェック)」など簡便なルートも用意されています。

この記事では省エネ計算の基本的なやり方と評価方法を、省エネ計算で注意すべきポイントと共に解説します。※一部、用途・規模・構造等により適用除外となる建築物があります。なお「工事に着手」は一般に、杭打ち・地盤改良・山留め・根切り等、建築工事として実体を伴う工事の開始が該当します。

省エネ計算とは

省エネ計算とは、建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)に基づき、建築物の省エネ性能を評価するのを目的とした計算です。

着工前の設計段階で省エネ性能を数値化し、法で定められた基準値と比較することで、その建築物の省エネ性能を評価します。

以前は(規模・用途により)非住宅を中心に省エネ基準適合が求められていましたが、令和4年改正により、2025年4月1日以降に着工する原則すべての新築住宅・非住宅で省エネ基準適合が義務化されました。(一部、適用除外あり。)

引用:国土交通省「令和4年度改正建築物省エネ法の概要

この改正に伴い、省エネ計算を必要とする建築物が一気に拡大しました。

省エネ計算のやり方

省エネ計算が必要な省エネ性能の指標は、「外皮性能」と「一次エネルギー消費量」です。

建築物の用途によって、必要な省エネ計算は異なります。

用途省エネ計算
住宅外皮性能一次エネルギー消費量
非住宅一次エネルギー消費量

非住宅は一次エネルギー消費量のみですが、一次エネルギー消費量を算定する際に外皮に関わる仕様等が関わってくるため、外皮性能の高さも重要です。

また住宅の外皮性能には、断熱性能を示す「外皮平均熱貫流率」と日射遮蔽性能を示す「冷房期の平均日射取得率」があります。

ここからはそれぞれの算出方法と達成すべき基準について、詳しく解説します。

外皮性能の算出方法と基準

外皮は室内と室外の境界となる部位で、屋根・外壁・開口部・天井・床などが対象です。

外皮を構成する部位の仕様・面積等から算出することで、断熱の高さに直結する外皮性能を表します。

住宅の外皮性能は、「外皮平均熱貫流率(UA値)」と「冷房期の平均日射取得率(ηAC値)」で評価します。

クリアすべき省エネ基準は、地域ごとに定められているのが特徴です。

引用:国土交通省「地域区分の見直し

引用:住宅・建築SDGs推進センター「住宅の省エネルギー基準と評価方法2024

温暖で夏場の日射が強い地域はηAC値の基準が設けられており、寒い地域ほどUA値の基準が厳しくなっています。

外皮平均熱貫流率(UA値)

外皮平均熱貫流率(UA値)とは、室内から室外へ逃げる熱量を外皮全体の面積で平均した値です。

UA値[W/(㎡・K)]=外皮熱損失量(W/K)÷外皮面積の合計(㎡)

UA値が小さいほど室内の熱が外に逃げにくく、断熱性能の高い住宅だと評価されます。

冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)

冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)とは、冷房を使うような暑い季節に窓から直接侵入する日射と、窓以外の外皮から熱伝導で侵入する日射の熱を表した値です。

外皮の各部位から入ってくる日射量を、外皮全体の面積で平均します。

ηAC =(単位日射強度当たりの総日射熱取得量 ÷ 外皮総面積)×100

UA値と同じく、数値が小さいほど室内に入ってくる日射量が少なく、日射遮蔽性能が高い住宅だと判断可能です。

一次エネルギー消費量(BEI)の算出方法と基準

一次エネルギー消費量(BEI)とは、建築物で使用する設備機器の消費エネルギーを熱量として表した値です。

冷暖房・給湯・換気・照明などの設備が消費するエネルギーを合計し、太陽光などでエネルギーを生成している場合はエネルギー削減量を差し引いて算出します。

BEIはまず、基準仕様で「基準一次エネルギー消費量」を、設計仕様で「設計一次エネルギー消費量」を算出し、両者の比(BEI)で評価します。

引用:住宅・建築SDGs推進センター「住宅の省エネルギー基準と評価方法2024

BEI=1.0の場合、平成28年に定められた省エネ基準と同等の水準で、数値が小さいほど省エネ性能が高いと評価されます。

なお大規模非住宅は、用途に応じてBEI=0.75〜0.85の間に基準値が設けられており、中規模非住宅(例:延べ300㎡以上〜2000㎡未満)では、2026年4月1日以降に適判申請する案件から、用途に応じてBEI=0.75〜0.85の水準へ基準が引き上げられます。

参照:国土交通省「中規模非住宅建築物の省エネ基準の見直しについて

省エネ基準の確認を簡便にする方法は?(仕様基準・モデル建物法)

省エネ計算は非常に複雑なため、専門知識がないと時間や手間がかかります。

2025年度よりすべての建築物が省エネ基準適合を義務付けられたため、省エネ計算によって業務の負担が増加したと感じる設計士や、登録省エネ機関も少なくありません。

そこで国土交通省は、省エネ基準適合義務のある建築物でも省エネ計算を容易にする「仕様基準」や「モデル建物法」などの評価方法を設けています。

用途評価方法特徴
住宅標準計算ルート住宅のすべての情報を室ごとに詳細に計算して評価
仕様ルート仕様基準に基づいた計画をチェックリストに従って評価
非住宅標準入力法建築物すべての情報を室ごとに詳細に計算して入力
モデル建物法建築物の用途毎にモデル建物を用いて簡易的に評価
モデル建物法(小規模版)モデル建物法の小規模非住宅に対応した評価方法

【住宅】省エネ性能の評価方法

住宅の省エネ性能は、「標準計算ルート」と「仕様ルート」の評価方法があります。

それぞれの評価方法について、詳しく解説します。

標準計算ルート

標準計算ルートとは、住宅の省エネ性能を詳細に数値化できる計算方法です。

熱伝導率や面積など建築物の情報をすべて細かく調べ、省エネ計算を行います。

手間や時間はかかりますが、設備や間取りにこだわりがあったり、正確な数値を証明したかったりする場合に選ばれます。

仕様ルート

仕様ルートは、国土交通省が決めた仕様に沿って設計した場合に利用できるルートで、基本的には省エネ計算がいりません。

チェックシートで適合を確認するのみで、省エネ適合判定も不要のため、業務の効率化を図る会社等で選ばれています。

※省エネ“適判”が不要な場合でも、仕様基準への適合を示すチェックシート等により、省エネ基準への適合確認自体は必要です。

引用:国土交通省「建築物省エネ法木造戸建て住宅の仕様基準ガイドブック

ただし定められた設備しか採用できず、詳細な省エネ性能を知ることもできないため、こだわりのある住宅づくりには不向きでしょう。

【非住宅】省エネ性能の評価方法

非住宅の省エネ性能の評価方法には、「標準入力法」「モデル建物法」「モデル建物法(小規模版)」があります。

それぞれの評価方法について、詳しく解説します。

標準入力法

標準入力法は、部屋単位で床面積や外皮性能等の情報を入力し、数値を算出する方法です。

用途や部屋数が多いほど計算が複雑になり、手間やコストがかかるのが難点ですが、設備や間取りに制限がなく、正確で詳細な省エネ性能を把握できるのがメリットです。

BELS等で多くの星を取得して、省エネ性能の高さをアピールしたい場合に適しています。

モデル建物法

モデル建物法は、工場や飲食店など建築物の用途ごとにモデルを仮定し、代表的な室の仕様を入力するだけで建築物のBEIを計算できる方法です。

例えば飲食店モデルでは、照明設備は主たる室用途(客席)に設置された照明を対象として入力します。

引用:国土交通省「モデル建物法入力マニュアル

モデル建物法は省エネ計算の手間が省け、BELS評価にも対応しています。

ただし簡易的な計算のため詳細な数値が算出されず、標準入力法よりも数値が低くなる傾向です。

また万が一モデル建物法で省エネ基準を満たせなかった場合、標準入力法で一つひとつ再計算する必要があります。

モデル建物法(小規模版)

モデル建物法(小規模版)は、前述したモデル建物法でも床面積300㎡未満の非住宅に対応した方法です。

2025年4月から小規模非住宅も省エネ基準適合が義務付けられたことにより、新しく設けられました。

省エネ計算を実施する際の注意点

省エネ計算を実施する際は、次の3点に注意しましょう。

  1. 正確な設計情報を収集する
  2. 最新のマニュアルやチェックシート、計算ソフトを利用する
  3. 計算ソフトへの入力ミスに気をつける

どれも基礎的なポイントですが、省エネ計算をスムーズにクリアするのに不可欠です。

入力ミスや前提条件の取り違えがあると、適判の差戻しや再申請につながり、確認申請〜着工までの工程が遅延するリスクがあります。

省エネ計算は非常に複雑で専門知識がないと困難なため、工期通りに着工したい場合は省エネ計算の代行業者への外注も検討しましょう。

省エネ計算のやり方でよくある質問3選

ここでは省エネ計算のやり方でよくある質問を、3つ解説します。

省エネ計算におすすめなWEBソフトは?

国交省のWEBプログラムは、告示・評価方法に対応した入力体系が整っており、実務でも広く使われています。最終的には、案件の用途・規模・評価ルートに合う最新版のマニュアル・入力要領を併用して確認するのが安全です。

ただし、WEBプログラムの利用には省エネ計算の専門知識が求められるので、難しいと感じる場合は省エネ計算の外注がおすすめです。

省エネ計算の計算方法のマニュアルは?

省エネ計算の計算方法のマニュアルは、国土交通省の公式サイトで確認できます。

必ず最新のマニュアルに従って計算し、省エネ適合性判定を受けましょう。

省エネ計算の仕様基準のチェックリストはどこ?

省エネ計算の仕様基準のチェックリストは、国土交通省の公式サイトのガイドブックに掲載されています。

地域ごとにガイドブックが異なるので、建築予定の地域に該当するものを選択しましょう。

まとめ

2025年4月から原則すべての建築物に省エネ基準適合が義務付けられたことにより、複雑な省エネ計算による現場の負担が増加しました。

仕様基準やモデル建物法など省エネ計算の手間を軽減するルートもありますが、省エネ性能に関する専門的な知識が求められます。

設計業務などに集中するためにも、手間や時間のかかる省エネ計算は信頼できる代行業者へ外注するのをおすすめします。

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