BELS申請費用の相場を解説|審査料・代行費の内訳と費用が変わる要因とは
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の取得を検討する際、まず押さえておきたいのが申請費用の全体像です。BELSにかかる費用は、審査手数料だけでなく、省エネ計算や申請代行にかかる費用、建築物の用途・規模・計算方法によっても変動します。場合によっては、想定よりコスト差が大きくなることもあるため、事前に内訳を把握しておくことが重要です。
本記事では、BELS申請費用の相場をはじめ、審査料と代行費の内訳、費用が増減する主な要因をわかりやすく解説します。コストを抑えながら、スムーズにBELS取得を進めるための判断材料としてお役立てください。
BELS申請にかかる費用の内訳
BELS申請に必要な費用は、3つに大別できます。
- 審査手数料
- 計算・申請代行費
- その他の費用
まずは、費用の用途や内訳から押さえましょう。
(1) 審査手数料
BELSの評価は、一般社団法人住宅性能評価・表示協会に登録されたBELS評価機関が実施します。住宅・非住宅の両方を扱う機関もあれば、業務対象や業務区域に制限がある機関もあるため、案件の用途や所在地に応じて選定することが重要です。この審査にかかる費用が、審査手数料です。
審査手数料は建築物の用途や規模、請け負う機関によって異なります。BELSの審査料は、建物種別だけでなく、評価対象単位(住戸・住棟・建築物全体)、計算方法、用途区分、併願の有無によって変動します。
公開料金の一例では、戸建住宅は4万円台~6万円台、共同住宅は基本料金+戸当たり料金+共用部加算で積み上がる方式、非住宅は用途区分と床面積、モデル建物法か標準入力法かで大きく変わります。実務では、「全国共通の相場」よりも「依頼先機関の公開料金表」確認が優先です。
(2) 計算・申請代行費
BELS取得に必要な計算業務や図書作成、申請業務を外注する際に必要な費用です。計算対象建築物の規模や作業範囲・作業量、サポート内容によって変動します。
計算・申請業務は、自社での遂行も可能です。ただ、省エネ計算は専門的かつ緻密な作業が必要となり、申請図書の整備にも手間がかかります。建築事業者のコア業務である設計・施工を円滑に進められるよう、事務作業は外注されるのが一般的です。
また、そもそもBELS要件を満たす設計でなければ、申請は通りません。設計がBELSを満たすものとなるよう、計画段階から参加してくれる代行業者の利用をおすすめします。
(3) その他の費用
当初の計画から変更が発生し再審査となった場合、手数料が加算されます。
| 内容 | 手数料相場 |
| 評価完了後の再審査 | 新規申請と同等評価書の再交付:1通5,000円~7,000円程度 |
| 変更申請 | 申請料:当初料金の1/2程度・軽微な変更なら、1,000円~数千円程度・大幅な変更は新規同等の費用がかかることもある |
| 取り下げ | 5,000円程度 |
【規模別・建物種別】BELS審査手数料の目安
建築物の規模と種別に、BELS申請の手数料相場を詳しく解説します。
戸建住宅(新築)
新築戸建住宅のBELS審査費用は、床面積や評価方法で区分する機関が多いものの、料金体系は機関ごとに異なります。延床面積200㎡を基準にする機関もあれば、評価区分や他制度との併願有無で整理する機関もあります。性能評価書や長期優良住宅等と併願申請も可能で、一括申請すると提出図書の省略や審査料の割引が受けられる場合もあります。
| 床面積 | 単独申請 | 併願申請 |
| 200m2・300m2未満など | 4万~5万円 | 3万~4万円 |
| 200m2・300m2以上など | 5万~8万円 | 4万~6万円 |
計算方法によって費用が変わる審査機関、床面積で金額を区別しない審査機関など、料金設定の方法は機関ごとに異なります。
集合住宅
集合住宅のBELS申請費用は、以下の考え方を基本とします。
| 申請費用=基本料金+戸当たり料金×対象住戸数 |
集合住宅のBELS審査料は、住戸評価を行うのか、住棟評価を行うのか、共用部を含めるのかで大きく変わります。公開料金の一例では、基本料金が10万円を超える機関もあり、戸当たり料金や共用部加算を含めると総額は住戸数に応じて大きく増減します。単純に「基本料金○万円」と捉えるより、評価対象の切り分けを先に整理することが重要です。性能基準を用いた計算かどうかによって、料金が変動する機関もあります。
共用部を含めて評価する場合は、共用部加算の有無や金額設定が機関ごとに異なるため、住戸部分のみの評価より総額が上がる傾向があります。共同住宅は、住戸評価・住棟評価・共用部評価のどこまでを申請対象にするかで費用構成が変わるため、料金表を見る際は申請範囲を先に確認することが重要です。
非住宅(オフィス、店舗等)
非住宅建築物のBELS申請費用は、申請部分の床面積に加え、用途区分や計算方法によって変動します。以下の表は、主要評価機関の公開料金をもとに整理した目安です。実際の費用は機関ごとの料金表や個別見積りで確認してください。
| 申請部分の床面積(㎡) | 標準入力法 | モデル建物法 |
| 0~100 | 10万円ほど | 5万円ほど |
| 100~500 | 15万~20万円 | 6万~8万円 |
| 500~2,000 | 22万~28万円 | 10万~18万円 |
| 2,000~5,000 | 30万~40万円 | 22万~25万円 |
| 5,000~1万 | 45万~50万円 | 30万~35万円 |
| 1万~2万 | 80万~85万円 | 40万~45万円 |
建物の用途別(学校、工場、病院など)に費用を設定する機関もあります。
BELS申請費用を左右する「計算方法」2種類

※ エネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)モデル建物法(小規模版)入力マニュアル|2024年10月|国土交通省
採用する計算方法によって申請費用が変わる機関も、多々見られます。省エネ計算の2つの方法と、それぞれの特徴を見ておきましょう。
シンプルに計算できる「モデル建物法」
モデル建物法は、スピーディーに計算結果を得たいときに選ばれる方法です。建物用途ごとに設定されたモデル建物に対し、評価したい建築物の外皮や設備仕様を入力し、結果を得ます。モデル建物は国が過去の実績から設定しています。
入力項目が少なく、シンプルな計算で結果を得られる点がメリットです。計算時間も大幅に短縮でき、申請までの期間が短いときにも利用されます。BELS申請費用も、次項で解説する標準入力法より安価です。
ただし、あくまでモデル建物を基準とした計算結果となり、本来の性能値より低く評価されやすい点は注意が必要です。
精緻な計算結果が出る「標準入力法」
標準入力法は、評価対象建築物の居室一つひとつの性能値を入力する計算方法です。入力すべきデータ量が多く、モデル建物法にくらべて2倍以上の手間がかかります。ただ、建築物が本来有する、正確な計算結果を得られます。
標準入力法は、建築物の実態をより細かく反映しやすい計算方法であり、モデル建物法に比べて入力項目が多く、審査料や計算業務量も大きくなる傾向があります。どちらを選ぶかは、必要な評価精度、設計の熟度、スケジュール、予算を踏まえて判断するのが実務的です。
見るべき項目の多い標準入力法を用いた建築物は、BELS申請費用も高くなる傾向があります。建築物が取得したいBELS水準と予算を検討し、計算方法を決めるようにしましょう。
注意・複合用途の建築物の計算方法
複合用途建築物では、建築物全体で評価するのか、住宅部分・非住宅部分・テナント等の部分評価とするのかを先に整理する必要があります。複合建築物全体の評価を受ける場合は、住宅・非住宅の両方を業務範囲とするBELS登録機関への申請が必要です。なお、複合建築物ではZEBマーク、ZEHマーク、ZEH-Mマークは表示できないため、表示したい内容まで含めて評価対象範囲を決めることが重要です。
BELS申請費用の変動要因と注意点
BELS申請費用は、追加審査や他の制度との同時申請などによって変動します。申請費用に影響する要因3つと、注意点を解説します。
BELS費用で差がつきやすいのは、単純な床面積差だけではありません。評価対象の切り方、共用部の有無、モデル建物法か標準入力法か、他制度との併願、設計変更に伴う再計算の有無によって、総額は大きく変わります。特に申請直前に評価方針を見直すと、審査料以上に設計・申請側の手戻りコストが膨らみやすいため、基本設計段階から取得方針を固めておくことが重要です。
【加算】ZEH・ZEBの追加審査

評価対象建築物にZEHやZEBを表示したい場合、ZEH・ZEB表示に必要な審査のための追加費用がかかります。
ZEH・ZEBに関する表示や関連審査の費用は、評価対象、併願制度、計画変更の有無、プレート発行の有無などで変わり、料金設定も機関ごとに異なります。全国一律の加算相場として示すより、依頼予定のBELS評価機関の料金表と、対象制度の要件をセットで確認すると案内したほうが実務的です。
【加算】既存建築物の申請
既存建築物のBELS申請では、図面の残存状況、現地確認の要否、改修前後をあわせて評価するかどうかによって費用が変動します。追加費用の設定は評価機関ごとに異なり、別途見積りとなる場合も少なくありません。既存建築物で申請する場合は、図面の有無や現地調査の要否を早めに整理し、評価機関または代行事業者に個別確認することが重要です。
【割引】他の認定制度との同時申請
以下の審査をBELS申請と同一の機関に依頼すると、併願審査割引が受けられる場合があります。
・適合性判定
・住宅性能評価
・長期使用構造等確認(長期優良住宅)
・低炭素建築物認定技術的審査
・性能向上計画認定技術的審査 など
これは、BELS申請と長期優良住宅や設計性能評価と外皮計算書など、一部の図書を共有できるためです。他に受けたい審査がある場合、併願割引のある審査機関を選定すると、審査費用を節約できます。
BELS申請と費用に関するFAQ
BELS申請や費用に関して、よくある疑問にQ&A形式で回答します。
Q1. 評価機関ごとの手数料の違いは、どの程度か
一戸建てで1〜2万円、共同住宅や非住宅なら数万円〜10万円以上の差が生じることもあります。また、審査方法が書面か電子かによって、費用設定が変わる場合もあります。
Q2. BELSの申請とともに、補助金申請も一括で依頼できるか
省エネ計算、必要図書の整備、BELS申請、質疑対応、補助金申請までをワンストップで支援する代行事業者もあります。補助金まで含めて外注する場合は、業務範囲、再計算対応の有無、質疑対応の範囲、スケジュール管理の対象を見積条件で確認しておくと、後工程の手戻りを防ぎやすくなります。
複数年度にまたがる事業で、年度ごとの進行に制約がかかる補助金の管理も、一括して依頼できます。
Q3. 計算のみ外注し、申請手続きは自社で進められるか
可能です。ただし、書類作成や図書の準備、審査機関からの質疑対応、修正・再計算、再申請など、雑多な業務もすべて、社内で遂行しなければならない点は、知っておいてください。設計士が設計以外の業務に時間を取られかねず、本来の顧客対応や意匠のクオリティアップに支障が出る展開も考えられます。
リソースを十分吟味し、不安があれば外注をおすすめします。
まとめ
BELS申請費用は、建築物の種別や床面積、省エネ計算の方法など、多くの要素で決まります。複数の機関に見積もりをとり、必要な評価を得られる機関に依頼するようにしましょう。また、省エネ基準の厳格化や改訂に伴い、計算業務が煩雑さを増しています。申請にも時間がかかり、工期に影響を与えることも考えられます。
設計から申請・完了まで一括で依頼できるプロの手を借りることも、積極的に検討してみてください。
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