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【2026年度版】長期優良住宅の認定基準をわかりやすく解説|使える補助金制度も紹介

長期優良住宅とは、建築時だけでなく、将来の維持保全まで見据えて計画され、長く良好な状態で住み続けられるよう措置が講じられた住宅です。補助金制度や税制優遇の対象になりやすいこともあり、令和5年度末時点では、新築される一戸建て住宅のおよそ4戸に1戸が長期優良住宅の認定を受けています。

一方で、実際に検討を進める中では、「どの基準を満たせば認定を受けられるのか」「2026年度はどの補助金が使えるのか」が分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、長期優良住宅の認定基準をわかりやすく整理したうえで、2026年度に活用できる補助金制度についても解説します。これから長期優良住宅を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

長期優良住宅とは

長期優良住宅はその名の通り、長く安心・快適に暮らし続けるために必要な措置が講じられた住宅です。

長期優良住宅の認定制度は2009年6月に開始され、2025年3月末時点で累計173万戸超の新築一戸建て住宅・共同住宅等が認定を受けています。制度の普及は進んでいますが、実務では「認定取得」だけでなく、確認申請・補助制度・維持保全まで見据えた計画が重要です。

引用:国土交通省「長期優良住宅認定制度の概要について

住みやすい居住環境や万が一の災害に備えた構造の採用など、優良な住宅の条件を網羅的に評価するため、住宅の専門的な知識が少ない消費者でも高品質な家を手に入れやすいことで需要が高まっています。

新築の長期優良住宅の主な認定基準

新築の長期優良住宅には複数の認定基準があります。ここでは、戸建住宅の実務で特に押さえておきたい主要論点を中心に解説します。

①長期的に使用するための構造・設備を採用

長期優良住宅では長く使い続けられる住宅の目安として、親子3世帯に渡って約100年間住宅の構造躯体が使用できることをあげています。

100年使い続けられる構造躯体の認定基準は、住宅性能表示制度の劣化対策等級3相当を想定しており、評価項目は次の通りです。

評価項目措置内容
外壁の枠組等外壁の枠組等の地面から1m以内の劣化対策
土台土台劣化対策
浴室及び脱衣室水回りの壁や床、天井の劣化対策
地盤基礎内周部、つか石周囲の地盤の防蟻措置
基礎雨の跳ね返りで土台等の劣化を防止するのを目的とした基礎の立ち上がりの高さ措置
床下床下の防湿、湿気対策
小屋裏小屋裏換気措置

上記の措置にプラスして、床下点検口・小屋裏点検口・床下有効空間の確保が必要です。

②地域の居住環境の維持・向上に配慮

長期優良住宅では、地域の居住環境の維持・向上に配慮することも求められます。具体的には、地区計画、景観計画、条例、まちなみ形成に関するルールなどがある場合、それらに適合し、周辺環境との調和を図る必要があります。設計初期の段階で、建設予定地の所管行政庁が定める地域ルールを確認しておくことが重要です。

引用:国土交通省「長期優良住宅認定制度の概要について

また、長期優良住宅では省エネルギー性として、断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6への適合が求められます。実務では、外皮性能と設備計画を切り分けず、確認申請や補助制度の活用まで見据えて早い段階で整合を取ることが重要です。

③良好な居住水準に必要な住居面積の確保

長期優良住宅では、住む人が快適に暮らすのに必要な床面積を定めています。

床面積の基準は、戸建住宅で75㎡以上かつ住戸内のいずれか1階の床面積が階段部分を除いて40㎡以上共同住宅等では1戸あたり40㎡以上が基本です。なお、地域の実情に応じて所管行政庁が別途面積要件を定める場合があります。

④維持保全計画の適切な作成

住宅を長期的に良好な状態で使用し続けるためには、工事完了後の計画的な点検と適切な補修・改良が欠かせません。

特に構造躯体と比べて耐用年数が短い設備配管などは、定期的な補修や更新が必要です。

長期優良住宅では、建築時から将来を見据えた維持保全計画の作成が必要です。構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分、給水・排水設備について点検時期や内容を定め、少なくとも10年ごとの点検を実施し、点検・補修の履歴を記録保存します。

引用:国土交通省「長期優良住宅認定制度の概要について

⑤自然災害による被害の防止・軽減

加えて、長期優良住宅では耐震性として、原則、耐震等級2以上またはこれと同等の耐震性能が求められます。設計では、壁量だけでなく、偏心、接合部、基礎、地盤条件まで含めて総合的に成立させる視点が欠かせません。

長期優良住宅では、自然災害による被害の発生防止または軽減に配慮されたものであることも認定基準に含まれます。具体的には、土砂災害、津波、洪水などの災害リスクが高い区域について、所管行政庁が認定対象から除外したり、必要な措置を求めたりする運用が行われます。計画地が災害リスク区域に該当するかどうかは、早い段階で行政庁の運用を確認することが重要です。

引用:国土交通省「長期優良住宅認定制度の概要について

耐震性を高めるために必要なポイントは、次の図の通りです。

引用:国土交通省「長期優良住宅認定制度の概要について

バランスのよい壁配置や上物を支えられる頑丈な地盤・基礎など、さまざまな角度から揺れへの強さをチェックしましょう。

また水害などの災害被害のリスクがある地域では、そのリスクの高さに応じて所管行政庁が定めた措置を講じます。

長期優良住宅の取得方法

新築住宅で長期優良住宅を取得する際に、長期優良住宅建築等計画を申請する流れについて解説します。

長期優良住宅建築等計画の申請先

長期優良住宅建築等計画の認定申請先は、建設予定地域の所管行政庁です。

所管行政庁は、住宅性能評価・表示協会の公式サイトから検索できます。

認定申請では、所管行政庁への申請に先立ち、登録住宅性能評価機関で長期使用構造等である旨の確認や設計住宅性能評価書の取得を行うのが一般的です。実務では、確認申請との並行スケジュールや行政庁ごとの運用差も見込んで、早めに申請体制を組む必要があります。

登録住宅性能評価機関も、住宅性能評価・表示協会の公式サイトで検索可能です。

長期優良住宅建築等計画を申請する流れ

新築で長期優良住宅建築等計画を申請する流れは、次のとおりです。

登録住宅性能評価機関と所管行政庁それぞれに提出する書類は、次の通りです。

申請先提出書類
登録住宅性能評価機関・確認申請書または設計住宅性能評価申請書・添付図書(設計内容説明書、各種図面、計算書等)
所管行政庁・認定申請書・添付図書(確認書、各種図面等)

建築確認審査を同時に希望する場合は、所管行政庁へ申請する際に建築確認に関する申請図書も提出します。

また前述した通り、長期優良住宅は住宅を引き渡した後も維持保全計画書に基づいて維持管理を継続する義務があります。

維持管理を怠ると長期優良住宅の認定が取り消され、減税した税金や補助金の返還が求められるリスクがあるので注意しましょう。

長期優良住宅を取得する4つのメリット

長期優良住宅を取得することで、得られるメリットを4つ解説します。

性能・維持保全・耐震・省エネを横断して、第三者認定により住宅の品質を説明しやすい

長期優良住宅の最大のメリットは、長く安心して使い続けられる住宅であると第三者に評価されることです。

長期的に優良な住宅に住みたいと思う方が多くても、住宅に関する専門的な知識が少ない場合、どのような家を選べばいいのか判断できません。

そこで、長期的に安定した品質で住み続けられる住宅として認定を受けることで、消費者は安心して購入を検討しやすくなります。

住宅の資産価値の下落を抑えられる

どれほどこだわり抜いた住宅でも、経年劣化による資産価値の下落は避けられません。

しかし長期優良住宅の躯体は耐久性に優れており、劣化してしまう部位の維持管理も徹底的に計画されているため、住宅の劣化やそれによる資産価値の低下を緩やかにする効果が期待できます。

資産としての価値はもちろん、売却時にも一般的な住宅より高い価格を設定しやすくなるでしょう。

補助金や住宅ローン減税などを受けられる

認定長期優良住宅は、補助制度・税の特例・住宅ローン優遇の対象になり得ます。ただし、制度ごとに対象要件、床面積要件、適用期限が異なり、税制は今後の関連法成立を前提に延長されるものもあります。実務では、申請時点で最新の公表資料と適用期限を必ず確認することが重要です。

補助金制度1戸あたり75万円以上の補助金を給付
税の特例登録免許税の税率引き下げ不動産取得税の控除額の増額固定資産税減税措置適用期間の延長
住宅ローン減税控除対象借入限度額の引き上げ
住宅ローン金利引き下げフラット35の借入金利を当初5年間引き下げ
地震保険料割引品確法に基づく耐震等級や免振によって地震保険料を割引

参照:住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅認定制度の概要について

初期コストを抑えるためにも、利用できる制度は積極的に活用しましょう。

また定期的に助成金額や減税期間等が見直されるため、最新の情報を確認するのが大切です。

資産として次世代に引き継げる

長期優良住宅は親から子、さらにその世代まで約100年住み続けられるような評価基準を設けています。

住宅を資産として次世代に残していきたいと希望している方にとって、理想的な制度といえるでしょう。

長期優良住宅を取得するデメリット

長期優良住宅の取得を検討する際に考慮したいのが、初期コストです。

認定を受けるには手数料がかかるうえ、高性能な設備などを導入する必要があるので、一般的な住宅と比べると初期コストがかかりがちです。

初期コストを抑えるために、補助金や住宅ローン控除など行政のサポートを積極的に活用しましょう。

また長期優良住宅は、竣工した後も維持保全計画書に基づく維持管理の継続が必須です。

定期的な調査・修繕・改良を行い、必要に応じて維持保全計画を見直すなど、建築主は長期的に責任を持って関わっていくことになります。

長期優良住宅でよくある質問2選

ここでは、長期優良住宅でよくある質問を2つ解説します。

長期優良住宅の認定通知書はいつ届く?

認定通知書の交付時期は、所管行政庁や申請方式、事前審査の有無によって異なります。事前審査型では7〜10営業日程度を示す自治体もありますが、全国一律ではないため、案件ごとに申請先行政庁の標準処理期間を確認するのが確実です。

ただし書類に不備があったりする場合は、数ヵ月かかってしまうケースもあります。

円滑に工事を進めるためにも、正しく必要書類を提出しましょう。

2026年度に長期優良住宅で使える補助金制度は?

2026年度に長期優良住宅の新築で活用が検討できる代表的な制度は、みらいエコ住宅2026事業です。子育て世帯または若者夫婦世帯が取得・入居する長期優良住宅は、75万円/戸(1〜4地域は80万円/戸)が基本で、一定の古家除却を伴う建替えでは20万円加算されます。なお、補助金は消費者が直接申請する方式ではなく、登録事業者が申請する仕組みです。

契約期間問わない
対象工事の着手期間2025年11月28日以降に基礎工事に着手
交付申請期間申請開始(未定)~遅くとも2026年12月31日まで
補助金額地域区分:1~4地域80万円/戸
地域区分:5~8地域75万円/戸

建替前の住宅など一定の古家を除却する場合は、一戸当たり20万円が加算されます。したがって、補助額は5〜8地域で95万円/戸、1〜4地域で100万円/戸となります。

この事業は予算の上限に達し次第終了するので、利用を希望する場合は早めに申請しましょう。

まとめ

長期優良住宅は劣化対策や自然災害のリスク軽減など、住む人が長く安心して使い続けるための基準が設けられた制度です。

住宅を引き渡した後も維持保全計画書に基づく維持管理が必須ですが、住宅の価値の下落をゆるやかにし、次世代へと引き継いでいくことができます。

長期優良住宅は、劣化対策・耐震性・省エネ性・維持保全を横断して成立させる制度です。とくに2026年度は、補助制度や税制優遇も踏まえて、認定を取ること自体よりも、確認申請・性能計算・補助申請・引渡し後の維持保全までを一気通貫で設計できるかが実務上の差になります。設計初期から所管行政庁の運用、性能評価機関との役割分担、補助対象要件を整理して進めることが重要です。

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