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【2026年最新】省エネ適判を簡素化する「仕様基準」とは?対象建築物・メリット・デメリットを徹底解説

2025年4月以降に着工する原則すべての新築・増改築の住宅・非住宅で、省エネ基準への適合が義務化されました。確認申請と並走で省エネ図書を整え、差戻し対応まで含めると、着工が読めない。そんな現場が増えています。

そこで国土交通省は、建築物の省エネ性能を簡単に評価できる手段として「仕様基準」の導入を推奨しています。

この記事では仕様基準の概要と、導入するメリット・デメリットを解説します。

性能基準との違いやチェックリストの使い方も紹介するので、仕様基準の導入を検討している場合は参考にしてください。

※適判要否・提出図書は所管行政庁や審査機関の運用で異なるため、最新の手続きマニュアルをご確認ください。

建築省エネ法改正で2025年度より全ての建築物が省エネ基準適合義務化へ

2025年度の建築省エネ法改正により、原則全ての住宅・非住宅で省エネ基準適合が義務化されました。

2050年のカーボンニュートラル実現、その前段階である2030年度温室効果ガス46%削減(2013年度比)をクリアするため、建築物の省エネ性能の底上げを目指しての改正です。

改正により、これまで説明義務・届出義務の対象だった小規模建築物も含め、原則として新築・増改築時に省エネ基準への適合が必須になりました(説明義務・届出義務は制度開始以降廃止)。ただし、適判(適合性判定)が必要かは建物用途・規模などにより手続きが分かれるため、計画段階で要否確認が重要です。

引用:国土交通省「省エネ基準適合見直し3つのポイント

省エネ適合性判定とは

省エネ適合性判定(省エネ適判)とは、建築物を新築・増改築時に国が定める省エネ基準に適合しているか、設計内容を審査する制度です。

申請先は登録省エネ判定機関または所管行政庁です。省エネ適判が必要な建築物は、適合判定通知書が得られないと所定の手続きが進まず、結果として確認済証の交付・着工に支障が出ます。

省エネ適判の主な審査項目は、外皮性能(UA値またはηAC値)と一次エネルギー消費量(BEI値)です。

上記2つが地域や用途に応じた基準に適合していること、設計図書と計算書の整合性、高効率設備の導入状況等を審査します。

※住宅は外皮性能(UA/ηAC)と一次エネ(BEI)が主軸。非住宅は一次エネ(BEI)を中心に審査・確認します。

省エネ適判の提出書類

省エネ適判で基本的に必要な書類は、次のとおりです。

・建築物エネルギー消費性能確保計画書

・設計内容説明書

・各種図面、計算書

・その他所管行政庁が必要と認める図書 など

建築物エネルギー消費性能確保計画書は、国土交通省の公式サイトからダウンロードできます。

申請先によって必要書類が異なるため、申請前に申請先の要項を確認しましょう。

省エネ適判の流れ

基本的な省エネ適判の流れは、次のとおりです。

引用:国土交通省「適合性判定の手続き・審査の合理化について

省エネ基準への適合確認は、省エネ適判が必要な場合は適判を経て進む一方、仕様基準等で省エネ適判を要しない場合は、通常の建築確認手続きの中で適合確認が行われます。

建築確認審査で確認済証が交付されるまで工事に着手できないので、着工までスムーズに進めるには省エネ適判をミスなくクリアするのが理想です。

省エネ適判を省略できる建築物はある?

省エネ適判の手続きには準備や時間がかかるうえ、建築確認申請と同時に進める必要があるので、着工に辿り着くまでの手間が増加します。

そのため省エネ適判を受ける設計士はもちろん、審査を実行する機関の業務も増えています。

そこで省エネ適判の手間を省くため、国が勧めているのが「仕様基準」による設計です。

省エネ計算の仕様基準とは

仕様基準とは、建築物が省エネ基準へ適合しているかを計算をせずに確認できる制度です。

原則的に省エネ性能を証明するには、外皮性能と一次エネルギー消費量を計算して数値を算出し、省エネ基準を満たしているか確認します。

しかし仕様基準に定められた内容で設計すれば、壁や屋根の断熱材、窓の性能など断熱構造とする部位に既定の仕様を導入しているかチェックするだけで、省エネ基準適合の可否が判断可能です。

引用:国土交通省「建築物省エネ法木造戸建て住宅の仕様基準ガイドブック

仕様基準は、計算を省いてチェックリストで適合確認できるため、案件によっては適判手続きの負担軽減(合理化)や、適判不要の扱いとなるケースがあります。最終的な要否は用途・規模・申請ルートで異なるため、国交省の手続きマニュアル等で確認しましょう。

引用:国土交通省「適合性判定の手続き・審査の合理化について

省エネ計算に仕様基準を選ぶ3つのメリット

仕様基準は省エネ適判を容易にするのが大きな魅力ですが、他にも建築物の新築・増改築に仕様基準を選ぶメリットを3つ解説します。

着工前の審査が確認申請のみで済む

前述した通り、建築物の施工に着手するには省エネ適判と確認申請どちらもクリアする必要があります。

図1:省エネ適判と確認申請の流れ

しかし仕様基準を導入すれば省エネ適判を簡素化できるので、仕様基準を使うことで、計算書作成・整合確認の負担が減り、確認申請と並走する省エネ手続きの詰まりを起こしにくくなります。

チェックリストに記入するだけで省エネ性能を証明

仕様基準は難しい省エネ計算が必要なく、国が用意したチェックリストに記入するだけで建築物の省エネ性能を証明できます。

複雑な省エネ計算を回避し、スムーズに省エネ計画を作りたい方に適しています。

省エネ適判後の変更申請が容易

万が一省エネ適判後に省エネ計画に変更が生じた場合、審査を受けた機関に変更内容の提出が必要です。

もし審査時よりも省エネ性能が上がるなどの軽微な変更の場合、仕様基準なら容易な申請で済みます。

ただし変更により仕様基準から外れてしまった場合は、一から省エネ計算をして再審査を受けることになるため注意しましょう。

省エネ計算に仕様基準を選ぶ3つのデメリットと注意点

省エネ計算を省ける仕様基準は便利ですが、導入するにはデメリットを理解するのが重要です。

ここでは、仕様基準を選ぶ際のデメリットや注意点を解説します。

省エネ性能を具体的な数値で把握できない

仕様基準は省エネ計算を行わないため、具体的な数値が算出されません。

省エネ基準を満たしているとは判断できますが、省エネ基準以上の省エネ性能だと証明できません。

そのため高い省エネ性能を証明したい場合は、性能基準で省エネ計算を行うか、誘導基準を利用します。

性能基準と誘導基準については、後述します。

採用可能な設備が制限される

仕様基準は、指定された設備などを採用することで省エネ基準を満たしていると証明するため、採用できる設備が限定的です。

引用:国土交通省「建築物省エネ法木造戸建て住宅の仕様基準ガイドブック

設計や設備にこだわりがある場合、仕様基準は不向きです。

チェックリストに掲載されていない設備がある

基本的に仕様基準の対象である設備の仕様は、チェックリストに掲載されています。

しかし具体的な製品名は一部しか記載されていないので、申請者が調べる必要があります。

調査方法は、各会社のサイトやカタログを確認する、専門のサイトで調べるの2つです。

目的掲載サイト
断熱材の熱抵抗Rを調べる断熱建材協議会
設備機器の効率等を調べる住宅性能評価・表示協会

仕様基準チェックリストの使い方

実際に仕様基準を導入する際の、チェックリストの使い方を解説します。

まずチェックリストは、国土交通省の公式サイトの資料ライブラリーにある「仕様基準ガイドブック」にあります。

ガイドブックは地域によって異なるので、建築予定の地域区分を確認して選びましょう。

引用:国土交通省「地域区分の見直し

最新の地域区分は、「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」で確認できます。

ガイドブックを選択し、3つの基準をチェックリストで確認します。

チェック項目チェック対象
断熱材の熱抵抗R・断熱工法・断熱材の種類と厚さ
開口部(窓、ドア)の熱貫流率Uと日射遮蔽対策・建具とガラスの組み合わせ(窓)・枠と戸の組み合わせ(戸)
設備機器の仕様・冷暖房、換気、給湯、照明などの設備

ガイドブックに従って、下記のようなチェックリストに記載していくことで、建築物が省エネ基準に適合しているのが証明可能です。

引用:国土交通省「建築物省エネ法木造戸建て住宅の仕様基準ガイドブック

仕様基準と性能基準はどっちを選ぶべき?

仕様基準と性能基準は、建築物に求める省エネ性能や設計へのこだわりで選ぶのがおすすめです。

設備などにこだわりがなく、省エネ適判の手間を省きたいなら仕様基準、間取りや設備にこだわりがあったり、省エネ基準よりも高い省エネ水準を目指したりするなら性能基準が適しています。

性能基準を導入したいけれど省エネ計算が面倒だと感じる場合、省エネ計算のプロである省エネ計算代行会社を活用しましょう。

省エネ適判の仕様基準でよくある質問3選

ここでは、省エネ適判の仕様基準でよくある質問を3つ解説します。

仕様基準と性能基準の違いは?

仕様基準と性能基準の違いは、省エネ計算や省エネ適判の有無です。

性能基準は国土交通省が定める「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等に係る事項」を元に外皮性能や一次エネルギー消費量を算出し、省エネ基準を満たしているか確認します。

性能基準(計算)で適合確認する場合は、図書整備の負担が増えやすいのがデメリットです。なお、省エネ適判の要否は用途・規模・確認ルート(評価書・認定等)で変わるため、案件ごとに確認しましょう。

また採用できる設備に制限がないので、設計の幅が広がります。

仕様基準(省エネ基準用)と誘導基準(ZEH水準用)の違い

仕様基準と誘導基準用の仕様基準の違いは、証明できる内容です。

仕様基準は省エネ基準、誘導基準はZEH水準に適合していることを証明します。

国は2030年までに省エネ基準をZEH水準へ引き上げるのを目標にしており、その前段階として誘導基準を設けました。

引用:「建築物省エネ法木造戸建て住宅の仕様基準ガイドブック

誘導基準も仕様基準と同じく、国土交通省のガイドブック内にあるチェックリストで適否を確認できます。

共同住宅でも仕様基準を使える?

共同住宅でも、仕様基準の導入は可能です。

ただし仕様基準を利用するには、全ての住戸が仕様基準に適合していることが条件です。

ひとつの部屋でも仕様基準を満たさない場合、建築物全体が省エネ適判の対象になります。

まとめ

仕様基準は難しい省エネ計算や省エネ適判を省略できるため、着工までの手続きをスムーズに進められるのが魅力です。

ただし採用できる設備に制限があるため、決められた仕様で目的の建築物が設計できるか調査したうえで、導入を検討しましょう。

仕様基準を導入せずに省エネ計算の手間を省くなら、省エネ計算代行会社への外注をおすすめします。

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