適合判定通知書と確認済証の違いは?同時に手続きする方法も解説
2025年度より、原則としてすべての建築物で省エネ基準への適合が義務化され、
それに伴い多くの建築物で、適合判定通知書および確認済証の取得が必要となりました。
今まで対象外だった住宅・非住宅も審査対象になり、着工までの手続きの煩雑化に頭を悩ませている方も多いでしょう。
実務上は、
- 省エネ計算の修正が確認審査に影響する
- 適判の差戻しが工期全体を押す
- 設計変更が“省エネ側だけ”再申請になる
といった点で、設計・施工スケジュールに直接影響します。
この記事では、省エネ適合判定通知書と確認済証の違いや、2つを同時に手続きする方法を解説します。
それぞれの特徴を理解し、着工までスムーズに進めたい方は参考にしてください。
適合性判定通知書と確認済証の違いは?
適合性判定通知書と確認済証の大きな違いは、審査対象と証明内容です。
建築物が省エネ基準に適合していると証明するのが適合性判定通知書、建築基準法(第6条)や各自治体の条例に基づいて設計されていると証明するのが確認済証です。
| 適合性判定通知書 | 確認済証 | |
| 制度名 | 省エネ適合性判定 | 建築確認申請 |
| 対象 | 省エネ基準適合義務のある建築物 | 延床面積10㎡以上の建築物 |
| 申請時期 | 着工前 | 着工前 |
| 申請先 | ・所管行政庁・登録省エネ判定機関 | ・指定確認検査機関・特定行政庁 |
| 内容 | 省エネ基準に適合している証明 | 建築基準法等の条例に基づいて設計している証明 |
次の章では、それぞれの制度の概要を詳しく解説します。
適合性判定通知書とは
適合性判定通知書とは、建築物が省エネ基準に適合していることを証明する書類です。
省エネ適合性判定をクリアした建築物にのみ、交付されます。
省エネ基準に適合義務がある建築物は、着工前に取得する必要があります。
省エネ適合性判定(省エネ適判)とは
適合性判定通知書の取得に必要なのが、省エネ適合性判定(省エネ適判)です。
省エネ適判では、建築物省エネ法で定める省エネ基準に従っているか審査します。
以前は延床面積2000㎡以上の非住宅のみ省エネ適判の対象でしたが、2025年4月以降、原則すべての建築物で省エネ基準への適合が義務化されました。
ただし、設計手法(仕様基準の採用など)や建築物の条件によっては、省エネ適合性判定が省略されるケースもあります。

引用:国土交通省「省エネ基準適合見直し3つのポイント」
なお省エネ計画に仕様基準を利用した場合、省エネ適判の省略が可能です。
省エネ適判の申請方法と流れ
省エネ適判は、建築物の着工前に申請・判定を行います。

引用:国土交通省「適合性判定の手続き・審査の合理化について」
省エネ性能確保計画を登録省エネ判定機関又は所轄行政庁に提出し、審査をクリアすると適合判定通知書が交付されます。
適合判定通知書を取得したら、速やかに確認審査に提出し、確認審査で省エネ基準適合の確認を受けましょう。
省エネ適判の審査時間は原則として14日以内、民間検査機関だと1〜2週間程度かかるとされています。
書類に不備がある場合は1か月近くかかるケースもあるため、着工の1〜2か月前には準備を終えていると安心です。
確認済証とは
確認済証とは、建築物の設計が建築基準法や各自治体の条例など、法令をクリアしていると証明する書類です。
完成した建築物ではなく、設計段階の建築物が法令に適合していることを認め、着工の許可を出すための証明書です。
建築確認が必要な建築物では、確認済証を交付されないと着工の許可が下りません。
建築確認申請とは
確認済証を得るために必須なのが、建築確認申請です。
建築確認申請は、特定行政庁や国が認める指定確認検査機関に審査を依頼します。
以前は階数3以上の建築物など審査対象が限られていましたが、近年の建築基準法改正および建築物省エネ法改正により、建築確認申請・省エネ関連手続きの双方で審査対象が拡大しています。

引用:国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」
この改正により、これまで簡略化されていた建築物についても、建築確認申請における審査内容が見直され、一般的な住宅でも実務負担が増加しています。
建築確認申請の方法と流れ
建築確認申請も省エネ適判と同じく、着工前に行います。

引用:大阪府「建築確認申請、中間・完了検査とは?」
国が認めた指定確認検査機関又は特定行政庁に申請を行い、確認済証の交付を受け次第工事に着手できます。
木造2階建て以下なら原則7日以内に交付されますが、書類に不備があるとさらに時間がかかるため、早めの準備が大切です。
適合性判定通知と確認済証をスムーズに取得する4つのコツ
適合性判定通知書と確認済証を着工前に取得するには、必要図書の準備に手間や時間がかかります。特にデベロッパーにとっては、確認済証の交付時期が
・金融機関の融資実行
・事業スケジュール
に直結するため、省エネ適判と建築確認の進め方は設計上の問題だけでなく、事業管理上の重要事項となります。
そこで取得をスムーズに進めるためのコツを、4つ紹介します。
省エネ適判の準備を早めに行う
省エネ適判が必要な建築物は、適合性判定通知書の交付後に確認済証が受領されます。
そのため確認申請の準備が整っていても、省エネ基準に適合していると証明されなければ工事に着手できません。
省エネ計算は専門性が高く、慣れていない場合は手間や時間がかかるので、早めに準備を行いましょう。
省エネ適判と建築確認申請を同時に進める
確認審査と省エネ適判は、同じタイミングで申請を進めるとタイムパフォーマンスが向上します。
確認審査には適合性判定通知書の提出が必要ですが、先に他の書類を申請し、後から適合性判定通知書を提出することが可能です。
省エネ適判の結果を待ってから建築確認を申請するのではなく、同じタイミングで進めていくと、着工までの期間を最短で進められます。
ただし、省エネ適判と建築確認申請を同時に進める場合は注意も必要です。省エネ計算に影響する、「外皮仕様」「設備容量」「一次エネルギー消費量」などが未確定のまま申請すると、省エネ適判・確認審査の双方で差戻しが発生し、結果的に手続きが長期化するケースがあります。
同時申請を行う場合は、基本設計段階で省エネに関わる仕様を極力確定させておくことが重要です。
省エネ適判と建築確認を同じ機関に依頼する
基本的に省エネ適判と建築確認の管轄は異なりますが、指定確認検査機関と登録省エネ判定機関どちらも兼ねている民間企業が存在します。
書類のやりとりなどを省ける可能性があるため、少しでも手間を省きたい場合は両方を審査できる機関も検討しましょう。
仕様基準で設計する
建築物の省エネ設計に仕様基準を選ぶと、審査が容易な建築物と判断され、省エネ適判を省略できます。

引用:国土交通省「適合性判定の手続き・審査の合理化について」
着工前の審査が建築確認申請のみになるため、時間・コスト・手間が減り、スムーズに着工まで進めるでしょう。
省エネ適判と建築確認申請を同時に行う流れ
省エネ適判と建築確認申請を同時に行う、基本的な流れは次の5ステップです。

※自作図
①建築主が指定確認検査機関等に建築申請を行う
②建築主が登録省エネ判定機関等に省エネ性能確保計画を提出する
③登録省エネ判定機関が省エネ適判後、適合判定通知書を交付する
④建築主が適合判定通知書を指定確認検査機関に提出する
⑤指定確認検査機関が確認審査を行い、建築主に確認済証を交付する
①②を同時に進めることで、よりスムーズな手続きがかないます。
適合判定通知書と確認済証を並行して取得する際の注意点
適合判定通知書と確認済証を並行して取得する場合、省エネ適判をいかにスムーズにクリアするかが鍵になります。
前述してきた通り着工の許可を得るには確認済証が必要で、適合判定通知書は確認申請に提出が求められる書類のひとつです。
省エネ計算は専門性が高く、不慣れな場合は時間も手間も多く取られます。
また書類に不備があると再審査になり、交付までに1か月以上かかってしまう可能性もあります。
工期通りに建築を進めるためには、省エネ計算等でミスしないのが重要です。
適合判定通知書と確認済証をスムーズに取得するなら省エネ計算代行会社がおすすめ
省エネ適判をスムーズに進めるのが鍵だとしても、省エネの専門知識がない場合、手間や時間がかかってしまうのが現状です。そのため、難しい省エネ計算は省エネ計算代行会社に外注するのをおすすめします。
特に、「設計変更が頻発する案件」、「非住宅や設備負荷の大きい建築物」では、省エネ計算の修正が工期全体に影響するケースも少なくありません。
そのため、省エネ計算を専門業者に任せることで、設計・確認対応に集中できる体制を整えることが、結果的にリスク低減につながります。
省エネ計算の専門家に必要な手続きを丸投げできるので、建築確認申請の準備に集中でき、着工までに必要な業務を効率よく進められます。
適合性判定通知書と確認済証でよくある質問3選
ここでは適合性判定通知書と確認済証でよくある質問を、3つ解説します。
登録省エネ判定機関や建築確認検査機関はどこで検索できる?
登録省エネ判定機関も建築確認検査機関も、一般社団法人住宅性能評価・表示協会の「評価機関等の検索」で検索可能です。
確認済証と検査済証の違いは?
確認済証と検査済証の違いは、調査のタイミングと評価内容です。
どちらも確認申請で行いますが、確認済証が設計段階を評価するのに対し、検査済証は完成した建築物を検査する「完了検査」後に、法令に従った建築物へ交付される証明書です。

引用:住宅性能評価・表示協会「省エネ適合判定とは」
竣工した建築物の使用許可を得るには、検査済証が必要になります。
検査済証の発行にも適合性判定通知書が必要?
検査済証の発行にも、適合性判定通知書は必要です。
完了検査では、適合判定通知書を基に作成された省エネ計画と、実際の建築物との整合性が確認されます。
そのため、適合判定通知書の内容と相違がある場合、是正や再手続きが必要となることがあります。
もし、省エネ適判後に省エネ計画に変更が生じた場合は、省エネ適判を依頼した機関に変更内容を申請します。
完了検査を滞りなく終わらせるために、完了検査の1か月前には申請しましょう。
まとめ
適合性判定通知書は建築物が省エネ基準に適合しているか、確認済証は建築物が建築基準法等に従っているかを証明する書類です。
証明内容は異なるものの、どちらも着工前に取得する必要がある証明書で、申請を並行して進めていくことがスムーズな手続きにつながります。
2025年4月より、省エネ適判も建築確認申請も対象建築物の範囲が広がり、設計士の業務や手間も増えています。
本来集中したい設計業務を大切にするためにも、省エネ計算など専門家に任せられる業務は信頼できる代行業者に外注してみてはいかがでしょうか。
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